2003年11月  日

京都府教育委員会委員長 藤田 晢也 様
京都府教育委員会教育長 武田  暹  様

                                             京都府立高等学校教職貝組合
                                                 執行委員長  寺内 寿
                                               養護教員部長 神田智恵美

府高養護教員部要求書
 
 養護教諭が健康で生き生きと働き続けられるため、また、様々な悩みや、健康発達上の課題を抱えて養護教諭のところにくる子どもたちの要求に答え、その生命と健康を守り育てることができるよう、下記要求事項に誠意をもって応え、早急な解決がはかられるよう、強く要望します。

                                        記
I.労働条件について

1.分校、定時制、通信制を含む全ての職場に専任の養護教諭を配置されたい。
 また生徒数の減少にかかわらず現在の専任配置を継続されたい。現在臨時採用講師、非・常勤講師となっているところについては 、直ちに改善されたい。

2.全ての学校に専任の養護教諭を複数で配置されたい。
 ア.必要な学校(当面12学級以上校)に2名以上の養護教諭を配置されたい。
 イ.障害児校にあっては各学部1名以上、寄宿舎設置校には更に1名以上の養護教諭を配置されたい。
 ウ.文部科学省の方針どおり、生徒数801名以上の高校には今すぐ養護教諭を複数配置されたい。
 エ.朱雀高校通信制に養護教諭の複数配置をされたい。
 オ.医療的ケアを必要とする生徒が多数在籍する養護学校においては、さらに1名の養護教諭を配置されたい。

3.健康診断介助員の配置のための予算化をされたい。

4.病休後の職場復帰に際してのリハビリ勤務や、養護教諭の現在の病状にあわせて必要な労働軽減措置を講じられたい。

5.緊急事態発生時には、労働過重、精神的疲労が深刻な問題とならないよう、ただちに養護教諭の加配を実現されたい。

6.疾病、障害のある生徒、及び医療的ケアの必要な児童生徒の各校の在籍状況、現場の実態を早急に調査し、対応の指針を示すとともに、実態に即した研修の機会を保障されたい。

7.衛生管理者をはじめ委員会のメンバーには、業務に専念できるよう加配をつけるなどの策を講じられたい。

8.養護教諭や保健部に、教職員の健康診断に関わる実務(健康診断票の記載・保管・結果集約・開場設営・公文書作成等)を担わせることのないようにされたい。

9.宿泊を伴う学校行事の際の救急要員としての引率については、本人の希望を尊重し、回復措置がとれるよう働きかけられたい。

10.社会体育的行事、採用試験などにおける救護を養護教諭に要請せず、医療団を派遺されたい。

11.教科「保健」授業兼職については、労働過重となることのないようにし、本人の合意と教職員の合意・条件整備なしに一方的に強行する事のないようにされたい。

12.養護教諭の人事異動については、在任年数で機械的に転出を強要することなく、本人の希望を最優先されたい。また家庭状況、健康状態及び母性保護の立場を考慮し、通勤時間が往復で1時間を越えないよう配慮されたい。

13.日本スポーツ振興センターの給付金の支払い請求、及びその支払いは教育委員会の責任で行い、府の担当者不足による負担を、学校現場・教職員に押しつけないようにされたい。

14.実態にそぐわない関係法規の改正を、国に積極的に働きかけられたい。

U.母性保護について

1.養護教諭の妊娠にあたって、流産、早産をはじめとする妊娠・出産異常の多発の状況を改善するため、真の母性保護の観点に立ち、妊娠時の指導軽減措置(養護教諭の免許を有する人)  については、妊娠初期より、生徒数、時期の制限をなくし、全ての妊婦に保障されたい。

2.病休(1カ月未満も含む)、産休、育休の代用にも備えて、有免者を常に確保されたい。

3.VDT機器の電磁波防御の設備をはじめ、母性保護の視点での施設・設備対策をはかられたい。

4.生理休暇が気兼ねなく取得できるよう条件整備をはかられたい。

5.更年期における体調不良に際し、更年期障害休暇の確立をはかられたい。

V.施設・設備について

1.複数課程が共用している保健室については、各課程所属の養護教諭が十分仕事ができるように、各課程独立した保健室の設置と共に、備品、消耗品などの整備・拡充をはかられたい。

2.保健室にすでに設置されている冷房については(障害児学校等)早急にエアコンに改修されたい。

3.機能的保健室となるよう、また、休養室・相談室・分掌執務室・小集団学習室などそれぞれの目的にあった施設・設備とされたい。

4.緊急時の迅速な対応に備え、保健室に外線電話を設置されたい。

5.備品(コンピューター等)・消耗品などについても、十分保障されるよう予算化されたい.

6.新しく保健室を設置及び改築する場合には、教育的機能が十分果たせる広さと場所を確保し、健康教育の機能が十分果たせるよう、現場の教職員及び養護教諭の意見を十分反映し、一方的企画の押しつけにならないようにされたい。
また一教室以下の広さの保健室については、直ちに改善されたい。

7.空調設備の設置を急がれたい。

W.児童・生徒の健康保障について

1.健康診断の内容の充実をはかられたい。健康診断に要する費用については、精密検査も含め全て公費負担とされたい。

2.感染症予防のため、健診器具(歯鏡・耳鏡・鼻鏡・舌圧子等)の数の確保・消毒・保管について、業者委託も含め府教委の責任で行われたい。

3.心臓検診は全ての地域で早期に実施でき、血圧検査、精密検査についても公費で保障されたい。

4.X線間接撮影は、身体に与える影響を考慮し、直接撮影にされたい。また事前問診の実施も検討されたい。

 ア.2003年度実施された結核検診の問題点を整理し方法の改善をはかられたい。

5.歯科矯正の検査、治療等が保険適応となるよう関係機関に働きかけられたい。

6.視力の精密検査、う歯等の治療費を無料化されたい。

7.各校の教育内容(潜水、VDT作業等)に応じて、必要な健康診断及び健康教育が実施できるよう配慮されたい。

8.障害児校においては、幼児・児童・生徒の実態にみあった健康診断の内容の検討と設備の充実をはかられたい。

9.現在行われている盲・聾・養護学校への看護師の配置について、健康で安全な学校生活が保障できるよう、学校の実状に応じて、今ある条件(時間数・複数化・研修の保障・未配置校へ の配置)を拡大されたい。

10.児童生徒の実態に応じた校医が配置されるよう、医師会との調整をはかられたい。

11.疾病や障害のある生徒の後期中等教育が保障できる体制を早急に整えられたい。また病弱養護学校に高等部を設置されたい。

12.高校における入学直後の宿泊研修については、生徒の健康と安全を確保するため、健康診断実施前に行うことのないよう現場に働きかけられたい。

13.日本スポーツ振興センター共済掛け金を保護者負担にすることなく、全額公費負担とし、低額面も含めた治療費の全額保障がされるよう関係機関に働きかけられたい。

14.予防接種は学校現場の負担改善のため衛生行政の責任において、スムーズに安全で有効な体制で実施されるよう、関係機関に働きかけられたい。

15.教育現場において高校生の集団献血を強要しないよう、関係機関に働きかけられたい。

16.医師会など他団体からの申し入れに対しては、現場の意見を十分尊重して対処されたい。

17.近年の生徒の多様な心の健康間題に対し、地域にいつでも・誰でも・無料で相談できる心 理療法士・カウンセラー・精神科医の確保をされたい。また、子どもの実態に応じ、地域の保健・医療機関・児童相談所等と連携できるよう条件整備されたい。

X.その他

1.衛生管理者については、資格があることを理由に保健体育教師や養護教諭に任務を強要することなく、現場の総意とされたい。

2.健康管理医による健康相談においては、相談場所、医師との連絡調整等の面で、児童・生徒にかかわる養護教論の日常業務に支障のないよう配慮されたい。

3.B型肝炎の抗体検査及び予防接種を、希望する全ての教職員に実施されたい。実施にあたっては行政の責任において対応し、会場校の現場、教職員に負担とならないよう改善されたい。 また希望する教職員が受けやすいよう条件整備をされたい。

4.危機対策(感染症・地震・原発事故・その他の災害)のための費用を予算化されたい。また 事故や問題が生じた場合については手厚い対策を講じられたい。

5.養護教諭の研究の自由を保障し、研修の押しつけがないようにされたい.研修については自主・民主・公開を原則とし、研修内容の自由な批判、検討ができるようにされたい。

6.京都教育大学をはじめ京都の各大学に、養護教諭養成課程の設置が実現するよう、各大学と話し合い、具体的に働きかけられたい。

7.教育免許法による賃金格差や認定講習の押しつけがないようにされたい。

8.任命主任制に反対。保健部長の民主的選出を尊重し、中間管理職的業務を指導しないようにされたい。

9.目的も不明確なまま、統計や資料の提出を強要する保健教育行政は改められたい。
                                                          以  上