京都市・乙訓地域公立高校入学者選抜の「改善」についての談話

京都市・乙訓地域公立高校入学者選抜の「改善」についての談話を発表しました。
詳しいお問い合わせは、府立高教組(TEL:075-751-1645)までご連絡ください。

京都府・市両教委は、10月18日の各教育委員会において、京都市・乙訓地域の公立高校普通科の通学圏と入試制度の「見直し」の具体策を決定しました。その内容は、①現行の4通学圏を南北2通学圏に再編、②Ⅰ類において、新たに前期特色選抜(募集定員10%)を導入し、中期選抜での部活動・特別活動希望枠(募集定員20%)と合わせて30%の募集定員を通学圏を越えてどの高校でも志願可能にし、現行の総合選抜枠(地理配分)の募集定員を10%縮小、③Ⅱ類における募集定員の50%以内で通学圏を越えてどの高校でも志願可能にし、2009年度入試(現在中学2年生)から実施予定というものです。

 

最初に指摘しなければならないことは、府・市両教委が行った「懇談会」や「説明会」「意見募集」において出された様々な意見や不安に応えず、何ら反映されていないことです。さらには、通学圏の分け方をはじめとする入試制度の具体的な変更点について、またもや「新聞報道で初めて知る」事態になったという点は重大な問題です。中学校や高校で一切教職員や父母に説明も意見も聞かないまま、教育委員会で決定したことは言語道断です。さらに、府教育委員会で審議の途中にこれについての記事が掲載された京都新聞夕刊が発行されている事態は、教育委員会の審議が軽視されていることの表れと言わざるをえません。

 

通学圏については、2通学圏に拡大することの問題はこれまで指摘してきましたが、今回のような南北2通学圏にすることはさらに重大な問題をもっています。その一つは、現行の東通学圏と西通学圏が南北に分断されることで、現在通学できる高校へ行けなくなる生徒や東西に広くなるために長距離通学を余儀なくされる生徒が多数出てくることです。二つ目は、通学圏を均等にする方向ではなく、「専門学科」設置校配置に片寄りがみられるように南北に新たな格差を生じさせる問題です。

 

入試制度変更の方向は、希望枠を拡大し、実質1通学圏と同じはたらきをもたせるとともに、「総合選抜」で近くの高校へ行ける枠を縮小させています。これは、より公立高校間の競争と格差を拡大させ、序列化を加速させるものであり、最終的には1通学圏、完全単独選抜にむけた第一歩になることが懸念されます。とりわけ単独選抜であるⅡ類への影響は大きく、定員割れが起こる高校が増加することも予想されます。
前期特色選抜については、すでに導入されている山城地域などでも問題点が指摘されているように、不合格者が大量に出ることや客観性に欠けることから他府県でも取りやめたり、見直されはじめている制度をなぜ導入するのでしょうか。

 

私たちは、このような重大な問題点を何ら解決しないまま、拙速に施策化することには反対です。教育委員会で「決定」した「改善事項」の施策を撤回し、学校当事者である現場の教職員、中学生、保護者や府市民の声を広く聞き、現在の通学圏や入試制度についてのていねいな検証をふまえたうえで、十分な時間をかけて検討すべきです。

 

2007年10月19日 京都府立高等学校教職員組合
副委員長(教文部長) 佐野幸良

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