第47次高校生春討に1,000人が参加
1、第47次平和憲法記念「京都高校生の集い」春季討論集会は、梅雨の晴れ間となった6月20日(日)に、左京区岩倉の同志社高等学校を会場に開催され、約1,000人の高校生・父母・OB・教職員が参加しました。集いは、「視野(「せかい」と読む)・自分自身・学校生活…きっと何かが変わるはず」というスローガンのもと、「恋愛」「友情」「学校生活」「進路・未来」「家族」「平和・憲法」「人権・差別」「自由・責任」「環境」の9つの分科会に分かれての討論を午前・午後に分けて行いました。また、参加者は、昼休みの丹後高校生有志によるバンド演奏、「分科会の報告」「参加者の意見発表」「うたごえ」などで盛り上がった最後の全体会を楽しみました。

2、集いには、北は丹後・与謝から、南は木津高校という、京都中の公立・私立の学校に通う高校生が、また、全日制高校・定時制高校・通信制高校・障害児学校・朝鮮中高級学校など約60校、さまざまな校種の高校生が参加し、交流を深めました。参加した高校生たちは、いじめや差別を受けた自らの体験を語り、学校生活や友達関係での悩みを出し合い、お互いの立場を理解し合い、意見をたたかわせながら、ひとまわりもふたまわりも人間的に大きくなってそれぞれの学校に帰っていきました。

 助言者から報告された分科会討論の様子は、以下の通りです。
4分散会とも盛会であった「恋愛」分科会では、女子高生徒から「彼をつくるには合コンや学園祭に行くなどの努力が必要」「男女共学の学校生活が知りたい」という意見が出された他、全体的には、女子の方が進歩的な発言が多く、男子の方が保守的な発言が多いのが特徴でした。
従来の「生徒会」「放課後」が合併してできた「学校生活」分科会では、生徒会役員をしている生徒から「本部がやっていることが、一般生徒には伝わらない」「文化祭に向けて盛り上げていきたいが、どうしたらいいか」という悩みが出される一方、「生徒から要望の出る生徒会にしたい」「少しでも学校を変えようと思っている」という発言があったり、HRは生徒が計画するというある高校のとりくみが報告されたりしました。また、学校行事が縮小され、「球技大会がなくされ、家庭学習強化週間に変えられた」「学校への要望を出せる場が縮小された」などの実態が出されました。「理想の先生は?」という質問には、「ひいきをしないで、楽しい授業をしてくれる先生」などの答が出されていました。全体として校則や学校や教師への不満が多く出されるなか、参加者からの提起で自分の学校の自慢を出し合うなど新たな内容の交流も行われました。
「家族」分科会では、父母の参加が少なかったのですが、「親の期待は子どもを育てるか」という話題の他、家庭内暴力の問題が取り上げられ、「家庭がほっとできる場でなくなっているのでは」というシビアーな指摘もありました。
注目された「平和・憲法」分科会では、「憲法第9条と自衛隊」「日の丸・君が代問題」「コソボ問題」「新ガイドライン問題」などが取り上げられ、定時制に通う年輩の高校生や高校生平和ゼミナールで活動している高校生の参加もあり、いろいろな立場から突っ込んだ討論が行われました。「なぜ戦争が起こるのか」という問いかけに対して、経済問題を指摘する高校生もありました。
・障害児学校の生徒や京都朝鮮中高級学校からの参加者も多かった「人権・差別」分科会では、いじめられたり差別された経験を持つ参加者からその実体験が語られ、「知ることから差別がなくなる」という指摘がありました。一方で、「朝鮮半島出身者が、なぜ日本に住んでいるのか」という基本的な知識が不足している日本人生徒の実態も明らかになりました。
「自由・責任」分科会では、テレクラや援助交際に走る高校生について、「自分で責任がとれるならいいのでは」という意見が出る一方、「そうではない」と参加生徒から反論が出ました。また、10年前からの校則改正運動で校則が半ページになった経験を持つ高校の生徒からは、自主性を育てる方針が伝統として語られ、生徒間の自律も育ってきているという報告がされました。参加者からは、「今日の交流を通じて、自分の学校の自由のよさが改めてわかった」という感想も出されました。

 参加した生徒たちは、次のような感想を寄せています。
「とても楽しかった。やはりこういった事に参加することで、友達もでき、自分自身を見直すことができてよかった。それに、人の意見を聞くことで、自分がたかめられるというか、成長できたように思う。今日は、この討論会に参加してよかったです」(北部の府立高校3年)
「私は、1年で生徒会の執行部に入ったため、いろいろ難しいこととか、思っていたのと違うことにぶつかって、悩んでいました。でも、今日ここに来て、他の学校のとりくみや、どうしたら生徒会が活発になるのかということを話し合うなかで、たくさんのヒントを得ることができました。がんばったら、絶対何かができるのだという勇気がわきました。今後学校で、楽しい学校生活を創っていくためにがんばろうと思っています。やっぱり生徒会というのは、すごく大切な組織であるように確信しました。来年ここへ来たら、もっといい学校生活ができたことを報告したいです」(市内の府立高校1年)
「もっと朝鮮人について知ってほしい。でも、興味がある人がいることが沢山わかってうれしいし、心強い。自分の意見をもっとはっきりさせて参加したかった。自分の意見をもっとはっきりさせようと思う。それに違う分科会にも参加したいと思う」(京都朝鮮中高級学校2年)
「はじめは、軽い気持ちで来たけど、実際は、みんなすごい深刻な悩みとかで圧倒されたけど、そういう人達が本当にいることがわかっただけでもすごいうれしいことだし、討論できたからさらに勉強になった」(口丹の府立高校1年)

3、中央実行委員会は、3月21日の準備会、4月11日の第1回生徒教職員合同実行委員会、5月9日の第2回生徒教職員合同実行委員会、6月13日の第3回生徒教職員合同実行委員会を中心に準備を進め、記者会見、各種団体への支援要請、いくつかの学校への「訪問」、府教育委員会・府立校長会への申し入れなどを行ってきました。生徒実行委員会の活動のために、昨年に引き続き福知山に「北部拠点」を設置し、土日休日を中心に活動をしてきました。その他、各学校での実行委員会の活動、中丹・舞鶴ブロックを中心とした北部教職員実行委員会などのブロックでの活動などが、精力的に行われました。
 また、春討を守り育てる父母の会は、今年も約600通のカンパ要請の手紙を出すなど、春討を支援する活動を繰り広げられました。

4、集いは、「新ガイドライン法」が成立し、「日の丸・君が代」を国旗・国歌とする法案が提出され、国会に「憲法調査会」の設置が画策されるという、まさに「憲法の危機」とも言える情勢のもと開催されました。それだけに「平和憲法」を正面に掲げたこの高校生の討論集会へのマスコミなどの注目は大きく、「朝日」「毎日」「京都」「赤旗」「産経」の各紙が取材に訪れ、すべて翌日の朝刊で写真つきで取り上げました。また、6月18日付「朝日新聞」が「教育」欄の「学校の風景」で、「討論集会」「『議論苦手』に出会いの場」という見出しで大きく取り上げたように、「キレる」中高生の事件が続発するなかで「討論」を正面に掲げたこの春討の意義にも、改めて注目が集まりました。

5、今次の集いは、従来から後援している団体に加え、新たに「朝日新聞京都支局」「京都新聞社」「毎日新聞社京都支局」「KBS京都」が「名義後援」しました。