2000年6月9日
京 都 府  知  事  荒巻 禎一 様
京都府教育委員会委員長  藤田 晢也 様
京都府教育委員会教育長  武田 盛治 様
京都府立高等学校教職員組合 執行委員長   川上 雅詮
2 0 0 0 年 度 緊 急 重 点 要 求 書
府立学校教職員の生活と権利を守るため、賃金・権利に関する緊急重点要求書を提出します。
 貴職におかれましては、下記の緊急重点要求について、交渉などを通して誠実に実現していく最大限の努力をお願いします。
1 公務員給与制度・教職員給与制度について
(1)いわゆる「勤務評定」「人事考課」による成績主義強化をしないようにされたい。
(2)人事院・人事委員会に対し、官民比較方法の改善、教職員の生計費を重視し、一時金の引き下げを決して行わず、調整手当の見直し を中止するとともに「成績主義」の強化  につながる勧告を出さないよう、強く申し入れること。
2 基本賃金について
(1)すべての教職員に4万円以上の賃上げをされたい。
(2)12月延伸の早期回復と、延伸にともなう損失の補償をされたい。
(3)特別昇給や勤勉手当に勤評導入・成績主義賃金の強化を行わないこと。当面、勤勉手当の成績率を廃止し、「文書訓告者」への成績率の適用を行わないこと。
(4)賃金制度改善とかかわって
1. 「すべての賃金表で全国トップクラスの確保」を誠実に履行されたい。
2. 教育職(二)表2級の「特号問題」「頭のばし」を解決されたい。
3. 教育職(二)表1級から2級への昇格条件を緩和されたい。また職名について、「実習助手」は実習教諭に、「寮母」は寄宿舎教員に変更されたい。
4. 初任給を大幅に引き上げるとともに、全教職員に在職者調整を行われたい。
(5)バス介助職員を正式任用すること、当面、賃金を大幅に引き上げるとともに、旅費日当などのカットにともなうバス介助職員の待遇改善をされたい。
3 一時金・諸手当について
(1)調整手当の改悪に反対し、府下一律10%とされたい。
(2)行政職・協約職賃金表適用者の時間外勤務手当として、当面、基本給の10%の財源確保と歴史的経過を踏まえた教職調整額4%に見合うものの支給をされたい。
(3)やむを得ず行った行政職・協約職賃金表適用者の時間外勤務手当については完全に支給されたい。
(4)通勤手当を実態に見合った額に直ちに大幅増額されたい。2Km未満の通勤者に対しても支給すること。
(5)生徒引率・宿泊料について一般旅費・宿泊料と格差を生じる現行制度を見直されたい。
(6)住居手当の大幅増額を行われたい。
(7)次の手当の増額をはかられたい。
 1. 宿日直手当・「寮母」の宿日直手当・舎監の宿日直手当、当面「寮母」と舎監を同額とされたい。
 2. 潜水手当・実習乗船教職員の食卓料・船舶乗船手当
 3. 農業畜産科・海洋生産科の休業日宿日直手当
(8)バス代乗については労働基準法にもとづく超過勤務手当を支給すること。当面手当の増額をはかられたい。
(9)部活動手当を次のように改善されたい。
 1. 単価の大幅増額
 2. 適用対象時間数(幅)の短縮
 3. 行政職・協約職賃金表適用者への支給
 4. H・R指導、各種委員会指導への適用拡大
(10)定時制・通信制に勤務するすべての教職員に定通手当を支給し、夜間勤務の教職員すべてに夜間勤務手当を支給されたい。
4 教職員の出張旅費について
(1)出張旅費・旅費日当・旅費雑費を完全に保障されたい。
(2)クラブの複数顧問の引率を完全に保障されたい。
(3)出張旅費の支払いは事前に完全支給をされたい。
5 臨時教職員の賃金・手当について
(1)当面、2級に格づけするなど、給与の上位制限をさらに改善されたい。
(2)非常勤教職員の賃金を大幅に引き上げ、一時金を支給されたい。また、増額対象者の範囲を拡大されたい。
(3)臨時的任用者の交通費支給基準の矛盾(月の初めの在職との関連)を是正し、当面、日割計算支給されたい。
(4)非常勤講師に「待ち時間手当」を支給されたい。職員会議、教科会議などへの出席を勤務時間とし、賃金を支給されたい。
(5)障害児学校に勤務する非常勤教職員に「調整額」に相当する措置を実施されたい。
(6)定時制・通信制に勤務する非常勤教職員に「定通手当」に相当する措置を実施されたい。
(7)介護休暇・欠勤、産休代替講師の場合、急に任用の根拠がなくなった時には、自己都合退職で扱うのでなく、労基法20条に基づいて30日分以上の賃金を保障されたい。
6 労働時間を大幅に短縮されたい。
(1)労働時間を大幅に短縮し、年間1800時間、当面週40時間・完全週休二日制の早期実現のために必要な予算と人員の確保などの抜本的条件整備をはかり、「まとめどり」方式は廃止されたい。
(2)「週休二日制」の趣旨を徹底し、現場の実態と要求にそって具体的諸条件を整備されたい。
1. 「振り替え可能日」を各長期休業期間の前後8週間にそれぞれ8半日ずつ以上設定するとともに、課業日やメーデー等への振替など、振替条件の緩和の実効ある措置を講じること。
2. 従来から振替可能である「始業式・終業式・定期テストの午後」などに授業・会議等を入れないこと。
3. 定時制の教職員や障害児学校寄宿舎教職員・介助職員などが、「振替」を活用できるよう規定のいっそうの見直しや人的配置を行うこと。 また、海洋高校実習船乗組員については、長期航海の時は、入港後速やかに振替等をすべて消化できるようにすること。
4. メーデー参加を保障できるよう、5月1日を休みとすること。
(3)夏期休暇を3日間から一週間に拡大されたい。
7 「休憩・休息時間」を完全に保障されたい。現状の「休憩・休息時間」の実態を明らかにし、教職員定数増や男女別休憩室の完全設置などの必要な条件整備を早急に行うこと。また、休憩時間のいっせい除外の「許可」「届け」について労使合意に基づかないものは、無効とすること。
8 時間外労働を全面的に解消されたい。
(1)時間外労働の上限規制をされたい。
1. 府立高教組と京都府教委との間で労基法36条に基づく労使協定を締結すること。
2. 時間外労働は、1週6時間、1か月25時間、1年150時間を上限とすること。
3. 休日労働は原則禁止とし、やむをえない休日労働についてはすみやかに代休を保障すること。
4. 時間外労働については、労基法に基づく割増率を上回る「時間外勤務手当」を支給すること。
5. 内藤裁判の地裁判決にしたがい、「持ち帰り残業」や「黙示の指示による労働時間」を正当に時間外労働と認め、時間外勤務手当支給と代休保障をすること。
(2)事務職員の時間外労働を解消するため、定数増などの条件整備をされたい。当面、1981年に改悪された「事務職員等配置基準(案)」さえも充足していないところの是正を至急行なわれたい。
(3)「給特法」施行にともなう労使間の「確認書」「覚書き」を完全に遵守されたい。
1. 時間外労働については「4項目」に限り、恣意的な限定4項目の拡大をしないこ と。また、「4項目」による場合もその実施にあたっての前提を遵守すること。
2. やむを得ない超過勤務が生じた場合、速やかに回復措置を講ずること。
3. 宿泊を伴う行事の代休措置を制度化すること。
4. 「補習」「増加単位」などにかかわる「0時間目授業」や「7時間目授業」「休息時間にはみ出す授業や勤務設定」を一切やめること。
5. 校内定期考査の「採点・評価」の業務をその重要性にふさわしく勤務時間内に十分できるよう「採点日」を確保するなど条件整備をはかること。
6. 授業に対する十分な教材研究(授業準備)時間を保障すること。
7. 3.類設置校や障害児学校の宿泊行事などにかかわる養護教諭の過重な勤務を解消すること。
8. 無定量な長時間労働の大きな要因となっている部活動指導の実態を調査し、本来の部活動のあり方にそった是正を行うこと。
9. 「学習合宿」「フレッシュマンセミナー」などを「自発的勤務」などと称して教職員の時間外労働を放置している事態を即刻是正すること。 また、教職員の合意を得ない学校開放事業は行わないこと。
10 研究指定や押しつけ研修、指導主事訪問などを廃止し、不要な仕事を削減すること。
(4)「回復措置」に対する校長などによる不当な「値切り」については、即座に是正すること。
(5)府教委4.24通達にともなう改善の実態を明らかにすること。
9 部活動指導などを含む代休協定を労使で協議・締結されたい。
10 教職員と組合に対する不当な処分や弾圧はいっさいしないようにされたい。
11 女性教職員の権利を守り、拡充されたい。とりわけ、産前・産後休暇の期間拡大、妊娠した教職員の労働軽減措置拡充(通勤緩和の実効化、勤務軽減の時間・場所・代行等の条件整備、養護教諭の妊娠軽減措置の制限撤廃など)、更年期障害休暇の創設、水泳指導補助教員の配置などを行うこと。
12 介護休暇・介護欠勤制度および育児休業制度を制度の趣旨を生かし、期間延長・有給保障、代替者完全配置、引き継ぎ保障など、とりやすい制度としての充実をされたい。
13 労働安全衛生について
(1)すべての府立学校職場で労働基準法・労働安全衛生法・船員法を上回る労働条件を確立するとともに、府立学校職場における労働基準法および労働安全衛生法違反を自ら明らかにし、違反を直ちに改められたい。
(2)労働安全衛生法第1条「この法律は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危険防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」および第3条「事業者は、単にこの法律で定める労働災害防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない」という責務を厳守し、その目的達成のために、府立学校職場にあらゆる措置を講ずるとともに、その目的達成のために必要な予算措置を講じられたい。
(3)府立学校教職員に関する労働安全衛生体制の確立については、府立高教組との協議と合意を誠実に履行されたい。
(4)小谷・西垣判決に従い、安全で安心して働ける職場環境を確立するとともに、すべての職場で定数増など、労働条件改善をはかること。当面、「定数法」の未充足を至急是正されたい。
14 労働安全衛生管理体制確立について
(1)府立学校全体を「一事業場」とみなし、安全委員会と衛生委員会を個別につくるのではなく「安全衛生委員会」を設置されたい。この場合、教職員の労働実態を無視して、衛生抜き・安全抜きの「委員会」にしないようにされたい。
(2)安全衛生委員会は、事業者側委員5名(京都府を含む)と府立高教組推薦の労働者側委員5名で構成し、産業医は2名(使用者側推薦1名・労働者側府立高教組推薦1名)、産業保健婦は2名(使用者側推薦1名・労働者側府立高教組推薦1名)とされたい。
(3)労働者側の安全衛生委員は、安全衛生委員会の活動を適切に行なえるよう専従とし、そのことを保障するため、労働者側の安全衛生委員の出身学校職場に教職員を加配されたい。