| 2000年7月26日 |
| 京都府教育委員会 委員長 藤田 晢也 様 教育長 武田 盛治 様 |
| 京都府立高等学校教職員組合 執行委員長 川上雅詮 |
| 公立高校の募集定員と入試にかかわる 緊急要求書 |
| 貴委員会は、過日、中学3年生と保護者向けに高校制度の概要と入試の要点をまとめた、「平成13年度京都府公立高等学校をめざすみなさんへ」というリーフレットを発行しました。また、昨年と同時期に2001年度の入学者選抜要項・募集定員を発表するとされています。 今日、「17歳問題」といわれるように、相次ぐ青少年の「凶悪事件」は、否応なしに子どもと教育に対する国民の関心を高めています。とりわけ、高校入試と高校の教育制度のあり方は、関心の高い問題です。また、長引く不況のもとで、「公立高校へ」という保護者の願いは依然高いものがあります。しかし残念ながら、京都府の公立高校入試と教育制度は、多くの中学生や府民の願いに反して、「15の春を泣かせる」現状となっているといわざるを得ません。 私たち府立高教組は、公立高校の募集定員と入試にかかわる緊急要求書を提出します。貴委員会におかれましては、早急に交渉・意見交換の場を設定されるとともに、誠実に対応されるよう要望します。 |
| 記 |
| [1]高校入学希望者の全員入学を展望した募集定員の見直しを行われたい。とりわけ通学圏による著しい不均衡が生じないような募集定員を策定されたい。 「高校教育を受ける機会の保障を」という願いは、圧倒的な府民の声でもあります。しかし2000年度入試では、こうした願いを踏みにじる結果が見られました。とりわけ京都市北通学圏では、募集定員1600名に対して受検者が1919名あり、合格者が1578名となっています。この結果、341名という多数の不合格者を出し、他の通学圏と比べても異常な突出となっています。これは明らかに募集定員配当の誤りであり、北通学圏内の中学生にとっては、きわめてきびしい入試となりました。こうした著しい不均衡をどのように是正されるのか、明らかにされたい。 [2]通学圏における通学区域のゆがみの是正、とりわけ京都市東通学圏の矛盾を解決する措置を講じられたい。 相次ぐ多様化政策や制度矛盾の取り繕いの結果、高校入試制度は大変複雑になっています。それと同時に通学圏における通学区域のゆがみも顕著になっています。京都市東通学圏では、北は北稜高校、南は東稜高校までと、非常に細長い通学圏になっています。その結果、通学圏の端から端へという遠距離通学を高校生が強いられてきました。2000年度入試では、こうした遠距離通学を避ける措置がとられましたが、東稜高校と洛東高校のU類理数系で定員割れが起こる一方、洛北高校と北稜高校のU類理数系で定員を超えた入学生がありました。こうしたゆがみを是正するために、鴨沂高校のU類理数系を復活させるなどの緊急措置をとるとともに、問題点の多いバス停方式による通学圏制度を廃止し、小学区制をいかした通学区制度を検討されたい。 [3]現在の入試制度の矛盾点、とりわけ類別入試の矛盾を解決するための方策を明らかにされたい。 2000年度入試では、以前にも増して類別入試の矛盾が至るところで噴出しています。とりわけ山城北通学圏では、普通科全体の不合格者44名、U類の定員割れが41名となりました。また山城南通学圏でも、普通科全体の不合格者56人、U類の定員割れが44名と、同傾向が見られました。これは、類別入試をやらなければ希望者全員に近い中学生が入学できた、ということに他なりません。これほど中学生たちに不安と不信を与える制度はありません。早急に是正することを求めます。 [4]公立高校定時制・通信制の生徒急増対策を講じられたい。 多くの父母・府民の要望にもかかわらず、貴教育委員会と京都市教育委員会は洛北・山城高校定時制の閉制を強行し、堀川高校定時制の募集停止を続けています。しかし、京都市内の定時制ではどの学校でも志願者が急増し、二次募集で募集定員を上回るといった状況もありました。また朱雀高校通信制では、以前からの生徒急増に歯止めがかからず、今年度は生徒数が1650名を超えるという異常な事態になっています。こうした事態は、定時制・通信制に学ぶ生徒たちの教育条件を極端に悪化させ、学ぶ権利さえ奪っている重大な問題といわざるを得ません。[1]の項で述べたように、全日制の募集定員の改善を図るとともに、府立高教組の定時制通信制部が市立高教組と連名で提出した緊急要請書にもとづき、生徒急増対策を早急に講じられたい。 [5]高校入試をゆがめる推薦入学枠の拡大を中止されたい。 かねてからV類や専門学科で実施されてきた推薦入試は、「『50%程度』といいながら、それをはるかに超える合格者を出している」「推薦入試の前に行われる適性検査で事実上の『合格』を出している」などの問題点が指摘されていました。また、学校内でも「推薦入試が管理職と一部の教職員にしかわからない」という実態がありました。こうした点から、従来から推薦入試の不透明さが指摘され、高校入試制度を一層ゆがめる一因となってきました。ところが貴教育委員会は、こうした問題点を改善するどころか、中学生・保護者向けリーフレットでは、普通科第V類(体育系・芸術系)は推薦入試で募集定員の100%をとる、としています。また、その他の推薦入試を実施する学科でも、「募集定員の70%程度又は50%程度」とするなど、問題の多い推薦入学枠をさらに拡大するという方向を打ち出しています。これでは一般入学枠をさらに狭め、一層高校入試をゆがめることになります。こうした推薦入学枠拡大の方向を取りやめ、当面、「50%程度」の推薦枠を守るようにされたい。 |
| 以 上 |