| 京都府人事委員会の則包・岸本・若林事案の「却下」に抗議する |
| 2000年3月27日 |
| 京都府立高教組執行委員会 |
| 1997年度の人事異動で不当人事をうけた則包氏・岸本氏・若林氏の三氏は同年5月30 日,京都府人事委員会に対してその配転処分の撤回を求めて「不服申立」を行った。翌 1998年4月20日に府人事委員会の第1回公開口頭審理が3事案合同で開始されて以降, 1999年12月20日の合同公開口頭審理で最終を迎え,2000年3月9日,京都府人事委員会 は3氏の「申立て」を「却下する」旨の「採決」を下した。3年間の運動にご支援いた だいた府高の仲間の皆さんと関係団体・弁護団に厚くお礼の意を表明する。 もともと、府高は申立ての審理と裁決が処分庁の府教委に偏向すると予想された審理 にあたり、人事委員にかつての府教育長が就任し,審理に加わるという公正・中立性を 著しく阻害する構成について是正を求めてきた。 府高は「聾教育の教職員人事を考える会」「則包先生を支援する会」と共に全力で審 理闘争をすすめてきたが、人事委員会は労働者の救済機関としての役割を放棄し、処分 庁(府教委)の主張をことごとく採用した裁決を行ったことに怒りをもって抗議する。 ましてや申立人側の主張に傾聴することなく審理の途中居眠りする人事委員を含むメン バーが下して裁決であることについても怒りをもって抗議する。 裁決の中心は「本件処分は,それが職員の身分・給料等の異動を生じせしめるもので はなく,客観的又は実際的見地からみて勤務場所・勤務内容において,何ら不利益を伴 うものとは認めることができず,又,処分の取消しを求める法律上の利益を是認すべき 特段の事情も認められない」としている。教員の身分・給料,勤務場所・勤務内容に大 きな問題点がなければ,人事異動は任命権者の自由裁量に委ねられているとする考え方 で貫かれており、単に「甘受」と「受忍」を教職員に強要するものである。過去の判例 を踏襲したにすぎない今回の「裁決」は、教職員の希望と納得を聴取・尊重し,教職員 の納得を得る努力がでされてこそ,教職員の身分は保証されることとなり、そのことに よって,教育の自主性が生まれ、教職員の教育にかける能力・意欲・積極性が十分引き 出せるという教育の条理が一片のかけらほどもないものとなっているのが特徴である。 また重大な争点として主張した則包事案における「桂高校制服問題」については,処 分庁側の主張を一方的に採り入れ,「制服問題に関しては申立て人を不当に異動させた 証拠がない」と強弁した。同時に岸本・若林両事案における聴覚障害児教育における専 門性については認められないと断定した。課程間・校種間の異動は教員採用時から予定 されていたもので少々の生活や教育活動計画の変更もまたガマンせよという傲慢な処分 庁の主張を追認する判断となっている。私たちが求めた憲法・教育基本法の理念にもと ずく裁定とは,「人間の尊厳」を最大限尊重し、申立人の主張を「人間らしく生きたい 、働きたい」とする叫びとして受け止めることによっての判断であった。 3事案は3年にわたるたたかいであったが、その間我々の「公正・迅速な審理と裁決 」要求を逆手にとって、府人事委員会は公開口頭審理の迅速化を図るという内容を含め てその「規則」の「改正」を現在すすめている。第三者機関としての人事委員会が本来 求めらている役割から遊離し、任命権者に一層加担する機関になることを恐れるもので ある。 3事案申し立て以降の人事闘争の前進は、府立学校の教職員人事異動において「丁寧 なヒアリングの実施」を当局に明言させていること、いのちと健康の問題・介護問題な どでの要求に耳を傾けさせていること、課程間・校種間異動での不当人事阻止、その結 果として府立学校全体として不当人事の減少に大きな力となったことは重要な成果であ った。また、保護者・PTA有志・卒業生・関係諸団体などを幅広い共同をつくったふ たつの「会」の運動や全国規模で展開した要請署名運動・弁護団との連携など、府高人 事闘争の前進させる原動力となってきた。私たちは人間の尊厳が保たれる教職員人事の 実現、公正と中立の人事委員の選任と構成、京都の高校・障害児教育の前進のために決 意を新たにするものである。 |